SNSが並んでいるスマホ画面のキャプチャ

インフルエンサーマーケティングと既存のネット広告の違い

 

SNSが並んでいるスマホ画面のキャプチャ

インフルエンサーを起用したPR施策を実施する企業が増えてきている中、以下のようなコメントを多く頂きます。

 

・「インフルエンサー毎のコンバージョン率を知りたい/計測したい」
・「成果報酬型でインフルエンサーPRを実施したい」

 

既存のネット広告(ディスプレイ広告、リスティング広告など)の考え方から、上記のような考え方に繋がっているかと思いますが、インフルエンサーPRを実施する前に、既存のネット広告との違いを把握する必要があります。

 

そもそも、インフルエンサーマーケティングとはどのようなPR手法でしょうか。

 

「インフルエンサー・マーケティングとは、商品やブランドがターゲットとするコミュニティやセグメント内において、周囲に影響を与える人物を見つけ、彼らに対して一次的にアプローチする方法」

※株式会社エスピーアイ: マーケティング用語集から一部抜粋

http://www.spi-consultants.com/ja/terms/archives/influence-marketing.php

 

つまり、インフルエンサーマーケティングとは特定のコミュニティ内で影響力のある人達の協力を得て、口コミに似た手法で商品やサービスのPR(広報活動)を行う手法です。

 

続いて、既存のネット広告(ディスプレイ広告、リスティング広告など)は、ウェブサイト上の定められている広告枠に、自社が用意したコンテンツを表示させる手法になります。

 

上記点を比較しただけでも、インフルエンサーマーケティングと既存のネット広告が異なっている事がわかるかと思います。

 

インフルエンサーマーケティングは、1つのテーマについて複数のインフルエンサーが関わることで、信頼性や話題性が相乗効果となって表れるのが特徴です。単体の媒体で機能する既存のネット広告とは違い、インフルエンサーマーケティングでは、信頼できる口コミ数を増やすことが効果に繋がるため、インフルエンサー単体での効果測定は難しいです。このような点が、課金モデルの違いを生む要因の一つとしてあります。

 

課金方法の違い

 

インフルエンサーマーケティングと、既存のネット広告の違いとしまして、まず課金方法が違います。

広告の種類とそれぞれの課金モデルを表す表

※上記は全ての広告の種類や課金方法をまとめた表ではございません。
※代表的な例を幾つか選出し、「インフルエンサーマーケティング」と比べている表になります。

 

上記のように、広告の種類によって様々な課金方法が存在します。インフルエンサーマーケティングでブログが用いられるケースも多い為、「成果報酬型」で実施できると思う方も少なくはありません。しかし、基本的にインフルエンサーマーケティングは企業が用意した素材をそのまま表示するのではなく、インフルエンサーがコンテンツの作成から携わります。コンテンツの作成から配信まで一貫してインフルエンサーが実施するため、他の広告の課金方法とは異なります。また、起用するインフルエンサーの知名度や影響力によって、効果が左右されるため、「コラボ費用」という課金方式が主流で、各インフルエンサーへの報酬が変わります。

 

他に、インフルエンサーマーケティングが既存のネット広告の課金方法と異なる理由としては、「ターゲットとなるユーザーの行動」を基軸としていないからです。既存ネット広告の多くは、広告の閲覧、広告のクリック、商品の購入などの「行動」が生じる事で対価を支払うモデルです。インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーを通した広報活動に対価を支払うイメージです。

 

誘導目的の違い

 

基本的にインフルエンサーマーケティングと既存のネット広告では、誘導目的が異なります。上記に記述したように、既存のネット広告で多いのが、「行動」への誘導です。例として以下のようなものになります。

 

既存のネット広告例:

 

3日で即痩せ!今ならキャンペーンで○○円

ダイエットをするなら今すぐクリック

 

上記は、ユーザーに広告のクリックを誘導する内容の一例となります。既存のネット広告の多くが、ユーザーの「行動」を誘導する広告になります。

 

インフルエンサーマーケティングは、上記のような方法とは異なり、ブランド認知の向上に対する訴求要素が強い手法になります。

以下が例になります。

 

インフルエンサーマーケティングの例:

 

このジュースは本当に美味しい!!

私が大好きなブドウ味もあって、パッケージも可愛いの。

売っている場所が少なくて、なかなか買えないけど、見つけたらすぐ買っちゃう♪

 

上記は一例になりますが、基本的にユーザーを「行動」へと誘導するのではなく、商品を試した感想を第三者へと伝える内容となっています。

これを見たユーザーは、商品を認知して実際に自分が使用した場合のイメージを連想する事ができます。さらに、ユーザーが信頼している人が投稿している内容であった場合、商品への信頼にも繋がります。

 

まとめると、それぞれの広告の誘導目的の違いは、「行動への誘導」 vs 「ブランド認知の向上」となります。

 

「ブランド認知の向上」を達成するためには、一名のインフルエンサーのみの広報活動ではなく、複数のインフルエンサーから同一テーマの広報活動がされる事により、成果に繋がる事が多いです。複数のインフルエンサーが関わることで、信頼性や話題性が相乗効果となって表れます。

 

上記のように、インフルエンサーマーケティングは複数のインフルエンサーが一体となって、「ブランド認知の向上」を目的として行うPRのため、「インフルエンサー毎にコンバージョン率を求める事」や、「成果報酬型でインフルエンサーPRを実施する事」が難しい事がわかると思います。また、そもそも、投稿にURLを記載できない媒体(Instagram)などもあります。

 

※キャンペーンと連動させて、インフルエンサーマーケティングに「行動」への誘導に促す事は可能ですが、こちらに関しましては、別のブログ記事で記載します。

 

以上、全ての広告との相違点は網羅していないですが、インフルエンサーマーケティングと既存のネット広告との違いを幾つか紹介しました。今後もインフルエンサーマーケティングに関する情報を配信しますので、是非一読ください。

 

※前回掲載した記事に関しては、以下をクリックしてください。

インフルエンサーマーケティングで念頭に置く7つの点