2017年、ソーシャルメディアのトレンド
あなたがマーケターなら、現代社会におけるソーシャルメディアの存在、価値は見逃せないでしょう。今ではどんなキャンペーンやイベントも、ソーシャルメディアの力なしでは成功が難しくなっています。
フェイスブックやInstagram、スナップチャットのようなSNSは、まさにそうしたソーシャルメディアの力の象徴的なものでしょう。
なぜこういったサービスがいまだに人々を惹きつけ続けているのでしょうか。
プラットフォーム、アプリ、といった形式的なことではありません。実際フェイスブックやInstagramの陰で多くのソーシャルメディアが潰れています。Friendster(SNS黎明期のサービス)を思い出した方もいるでしょう。ここ数年で人知れずソーシャルメディア業界で起こってきたことです。戦いを生き残り、現代社会の象徴として存在している彼らは、テクノロジーの進歩やユーザーの変化を上手く捉え利用し、サービスの進化に努めてきたのです。
では、ソーシャルメディアを活用しようと考えるマーケターは2017年、どんなことを想定していけばいいのでしょうか。
1.オンラインの体験にオフラインのリアリティが求められる
Snapchat風のライブ動画の機能がInstagramやフェイスブックにも追加されているのをご存知でしょう。
Instagramにこの機能が実装された当初、「特別なこともない、新しくもない(Snapchatの後追いでしょ?という感じ)ただの動画じゃないの。」という感想も多い印象でした。しかし今ではそういった意見は全く聞きません。では何がポイントなのでしょう。Instagramまでがわざわざこだわり、ライブにする理由はなんでしょうか。
どうやら人々は、録画され編集済みの「加工品」よりも、イベントなどを覗き見してるような偽りのない(と感じられる)リアリティ、「生もの」の方が好きなようです。イベント会場などからのインフルエンサーの中継動画を視聴すると、そのインフルエンサーと共に自分もそのイベントの空気感に浸ることが出来ます。コメントなどでコミュニケーションを取りそれに合わせて移動などをすれば、実際にその場でアクションをインフルエンサーとともにそのイベントに参加しているような更なる楽しさだってあります。
少し話がそれますが、最近のInstagramを見ていると、以前よりもユーザーが活発になってきているように感じます。これは、少し前までInstagram内で高まり続けた「インスタジェニック」への執着に辟易したユーザーが、コンテンツの質にこだわらなくていい(こだわりづらい、質が低いものという前提がある)ライブ動画などに移行しているからです。性別、年齢など問わずこうした傾向を見ることが出来ます。同じく最近追加された機能である「アルバム投稿」は、そうした「インスタジェニックからの解放」を受け、ストーリーは見るけどフィードを見なくなったというユーザーをInstagramの原点であるフィード上に少しでも長く滞在させるための施策かもしれません。もう1つ、Instagramがこれらのような機能を取り入れたことで、少なくとも国内ではSnapchatに流れようとしていた層もInstagramに踏みとどまっています。私個人の周囲を見ても、Snapchatのアプリをアンインストールしたという声はよく聞くようになり、その代わりにInstagramでの投稿数は増えている印象があります。この辺りは改めて別の機会にもう少し掘り下げたいと思います。
脱線しましたが、上記のような状況からも、メインストリームのコンテンツのライブストリーミングなどの動画への移行は、今年から一気に加速するトレンドだと予想しています。
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2.「b to c」の関わり方が生まれ変わる
もし我々人類が、この10年間で新たに手にした文明の利器があるとすれば、その1つはやはり、ソーシャルメディアの力でしょう。
ソーシャルメディアのサイトは今この瞬間も変化していますし、各メディアのアルゴリズムは何をどうやってフィードに表示させるか、ユーザーの行動を分析・反映しながら調整しています。
シェアされるような人気のコンテンツも変遷し、そしてその移り変わりは頻繁に起こります。
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どれほどそうした変化が小さいものに思えようと、こうした動きを敏感に察知し、マーケティングやキャンペーン施策に活かしながら事業を推進していかなければなりません。
3.個人が注目される
企業に対する興味は、次第に薄れてきています。人々は「賢く」なりました。
そうした冷めた態度は、企業の広告をソーシャルメディアから遠ざけています。
ユーザーは元々彼らがソーシャルメディアに惹かれた原体験である「他者との結びつき」という経験を、今のソーシャルメディアのコミュニティにも取り戻したいのです。
だからこそ、そこに注目しましょう。今までの広告手法など古い方法論をリセットし、新たな方法で個々人と自然な形で繋がることを考えるのです。
4.アイデアの価値は高まり続ける
人々は今もまだクリエイティブでインスピレーションを与えてくれるようなコンテンツに飢えています。これはきっと、昔も今も、そしてこれからも変わることはないでしょう。
それどころか今後、全体的なコンテンツの質は一時的に下がっていくことさえ予想されます(またの機会に掘り下げます)。そうした中でも初期のアイデアからこだわってコンセプトが設計された、クリエイティブなコンテンツは、相対的にも価値が上がっていくはずです。
5.広告の価値は下がり続ける
一方、広告に注意を向ける人の数は減り続けています。広告は邪魔者なのです。
商業感丸出しで突然webページに現れ、せっかく楽しんでいたネットサーフィンを阻害します。ひどいものはハッキングのいたずらでもされたかのようです。
しかも、自分が求めていないページに遷移させられてしまうことだってあります。こうした煩わしさがアドブロッカーを流行らせているのです。
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expausは刻一刻と変化するこうした状況を観察、分析し、そこから予想される未来に対して企業のマーケティング施策を変化させ対応するお手伝いをさせて頂いています。
こうしたトレンドや進化を予測できれば、ターゲットの需要に対してより効果的にキャンペーンを打っていくことが出来るのです。